つかれたときには詩を書きます。
なぜか頭が休まります。言葉が自由になるから?
高架線を指さして
別れ際に名も知らない少女は
高架線を指差して
白い白い指は
紙を引き裂くように
鋭角を描いた。
今まで私たちは
その少女の肩越しに
《海を知らぬ少女の前に麦わら帽の我は両手を広げて居たり》
二足のわらじを履いたり
一本の木の棒でいじめられっこの青い痣を叩いたり
しましたが、
《規則も知らぬ少女の前に集合意識は目を閉じて耳をすましてメモをとります》
ホットなへったくれもないメルトのマルチは
たまの休みをチムニーでやり過ごすことで
重複を恐れず
やり過ごせた。
マルチの耳を差し
メルトを口ずさみ
村人に話し掛けた
そんな退屈で
フワッとした
かわいい女の子
というキャラが
いたとしよう。
僕は忘れてしまいそうです。
いろんなものの生彩の
極致を。
ズームアップすれば
それは
さまざまなビット深度を持つ
1ピクセルたちの集合体の様です。
僕はもっと細かい
日々に分割された
意識の集合体。
時間にも場所にも
さまざまな瞬間に
僕という実存は
ビットよりも深く
ピクセルよりも小さな単位で
それでも彼らと同じように
デジタルに分割されてしまう様です。
躍起になって集めた少し後ろの方に見えている過去の僕たちは
拾い集めたそばから
モザイク状の立体的なウェーブを描いています。
そして、
舞台上の隙間から、
こぼれ落ちていくのです。
身に覚えのなかったデジタルな感覚は
触れ合うにしたがって
このように僕の中に入りこんで内側から
僕をデジタルに解析し
断片化した情報たちを
デフラグして
利用可能な状態にしておきます。
素朴な生活?
なにそれ?
アナログなエコロジー?
おいしい生活?
活発で快活?
就活で筋肉痛?
ジャンケンの指の形をデッサンして
ノリノリで
寝る
(了)